

数年前、小松崎くんという高卒生か四谷学院に入学した。彼はいわゆる進学校の出身だが、高校時代は勉強にあまり熱心なほうではなく、現役受験に失敗。浪人することが決まり、ある大手予備校に通い始めた。小松崎くん本人も、心を入れ替えてがんばる覚悟だったという。「1浪くらいは珍しい話ではないし、恥ずかしいことでもないと思っていました。だけど、2浪は許されない。予備校では高校時代の分も取り戻すっもりで、4月から必死で勉強しようと決めていました」ところが、まず予習の段階でわからないことばかり。―科目の予習に4〜5時間も費やさなければならなかった。授業はどの科目も優に100人は座れる大教室で行われていた。講師の姿ははるかかなだの教壇の上である。マイクを片手に二言三言、説明しては、背中を向けて黒板にあれこれ書き込んでいく。「ここはもうわかっているね。それじゃあ、例題を解いてみようか」小松崎くんはあわてた。「わかっているね」と言われたことが、さっぱりわからないのだ。そもそも、そこがわからないから教えてほしかったのではないか。連日、睡眠時間を削って深夜まで予習復習をしたが、まったく先が見えてこない。「どんな勉強をしたらあの問題が解けるようになるのか、全然わかりませんでした」結局、小松崎くんは1週間で予備校に通うのをやめた。何もかも投げ出してしまい、自宅でゴロゴロしながら過ごすようになった。そして翌年春、センター試験だけは受けたものの、結局、どの大学も受験しなかった。専門学校に進むか、2浪するか、本気で迷っていた。それまでは小松崎くんの自主性を尊重してうるさいことは言わないようにしてきた両親も、今度ばかりはさすがに黙っていられなかった。いろいろな予備校のパンフレットを取り寄せて検討した結果、お父さんが四谷学院を訪ねてきた。「いつまでもぶらぶらさせておくわけにはいきません。こちらでゼロから鍛え直してもらえませんか」対応した理事長は、お父さんにこう話した。「お気持ちはよくわかります。しかし、ご両親が四谷学院を薦めてはいけません。反発するだけですから。本人に来させてください。本人が納得したうえで四谷学院に入りたいというなら歓迎しましょう」数日後、小松崎くんが一人でやって来た。そして四谷学院の理念やシステムについて説明を受けた後、自分で四谷学院入学を決めた。「もう1年、ここでがんばってみたい」翌年春、彼はみごと東京大学文科V類に合格した。浪人1年目と2年目では、小松崎くんの何か変わったのだろう。1週間で大手予備校を辞めてしまったのも、2浪して東大に合格したのも、同じ小松崎くんである。小松崎くんという人間自身は変わらない。大学に行きたいという強い思いも同じだっただろう。変わっだのは本人ではなく、勉強するためのシステムと環境である。本人自身の能力をどこまで引き出せるか。まず、そのためのシステムが違っていた。東大に合格するだけの能力を、小松崎くんは最初から持っていたはずである。しかし、浪人1年目に通った予備校では、その能力を引き出してあげることができなかった。むしろ、潰してしまったと言えるのではないだろうか。予備校選びはかくも重要である。同じ生徒でも、どの予備校に通うかによって1年後の成果がまったく違ってくる。予備校選びを間違えると、せっかくの「伸びる芽」をむざむざ摘んでしまう結果になりかねない。
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解答力を身につけるためには、基礎をしっかり身につけると同時に、できるだけ多くの問題を自分の力で実際に解くという体験がモノを言う。55段階個別指導は、その意味でも理想的なシステムといえる。中学1年生レベルから難関大合格レベルまで..分野や難易度で55段階に分けられた記述式テストこのへんで四谷学院ならではの55段階個別指導について、もう少しくわしく説明しておく必要があるだろう。55段階個別指導は、中学1年生レベルの基礎問題から東京大学合格レベルの問題までを分野や難易度によって55段階に分け、圭段階ずつ確実にクリアしていくシステムである。キーワードは「解答力」。つまり「問題を解く力」を養うことだ。解答力は、授業を聞いただけでは身につかない。そのときは「わかった」と思っても、それは「理論がわかった」だけであって、「自分の力で問題が解ける」こととは違う。解答力を伸ばすためには、実際にテストを受け、自分の力で解いていく体験が必要だ。そのため55段階個別指導では、講師によるいっせい授業は行わない。生徒は個別に、各自の目的や理解度に応じた55段階テストに挑戦する。55段階個別指導の教室では、一方で数学のテストを受けているグループがあれば、一方で英語のテストを受けているグループもある。さらに各グループ内でも、それぞれが受けているテストのレベルはさまざまだ。もちろん、どのグループにもその科目を専門とする講師がついている。科目は、「英語」「国語」「数学」「理科」「社会」のなかから選択できる。「英語」はさらに「英文法英文解釈」「英語構文英作文」「リスニング」「英単熟語」に、「国語」は「現代文」「古典(古文漢文)」「古文単語読解演習」「理系センター国語」に、「数学」は「数学総合(1AHB)」「理系数学」に細かく分かれている。「理科」は国公立二次私大向けの「物理」「化学」「生物」と、センター試験向けの「物理」「化学」「生物」「地学」。「社会」は国公立二次私大向けの「日本史」「世界史」「地理」「政治経済」と、センター試験向けの「日本史」「世界史」「地理」「政治経済」「現代社会」「倫理」である。そして各科目のそれぞれについて、学ぶべき内容が55段階に分かれている。最初の段位は45級。これは中学1年生で習う程度の内容だ。英文法なら「人称代名詞とに皿動詞」、数学総合なら「整式の演算」からスタートすることになる。そこから55段階テストを受けて、合格するごとに一つずつ段位が上がっていく。たとえば数学総合の39級なら「三角比の相互関係」、38級なら「正弦定理余弦定理」、英文法英文解釈の39級なら「不定詞」、38級なら「分詞動名詞」がテーマとなっている。そして、だいたい12級前後で、各科目とも高校3年間で学ぶべき内容をクリアする。そのまま1級まで進めば、次はいよいよ有段者。今度は初段から始まり、最後の10段が東大合格レベルということになる。しかし、生徒全員が10段をめざす必要はない。